14.参政権   15条  公務員を選定し、およびこれを罷免することは、国民固有の権利である。    すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。    公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。    すべて選挙に置ける投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも 責任を問われない。   43条  両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。    両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。   44条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、       教育、財産または収入によって差別してはならない。   47条 選挙区、選挙の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。 1.参政権の意義  …国民が主権者として、直接または代表者を通じて国の政治に参加する権利。選挙権、被選挙権、国民投票権など。  *15条1項は「公務員を選定し、およびこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定しているが、これは国会   議員に対する国民の罷免権を認める趣旨か。A   →否定説(通説)r.憲法は罷免に関する規定を置いていない。憲法は代表民主制を採用していると解される。憲法は  国会議員がその地位を失う場合を明定しておりこれに限る趣旨である。51条の免責特権により 国会議員は院外で責任を問われないことになっており、これはリコール制などを認める命令委任  を否定する趣旨である。    肯定説(杉原)r.国民主権の権力的契機を強調する。 2.選挙権  (1)選挙権の法的性格   *選挙権の法的性格はいかに解されるべきか。B    →権利説(杉原):選挙権を人民(プープル)の主権的権利と見る。 二元説(通説):選挙権には、参政の権利とともに公務の執行という二重の性格が認められる。  r.選挙権は、人権の1つとされるにいたった参政権の行使という意味において、権利であることは疑 いないが、公務員という国家の機関を選定する権利であり、純粋な個人権とは違った側面を持つ。  (2)選挙権の要件    1)普通選挙(⇔制限選挙)…財力・教育・性別などを選挙権の要件としない制度(15条3項)    2)平等選挙(⇔複数選挙・等級選挙)…1人1票原則。選挙権の数的平等に加えて投票の価値的平等の要請をも含む。    複数選挙…特定の選挙人に2票以上の投票を認める制度。   {等級選挙…選挙人を特定の等級に分けて等級ごとに代表者を選出する制度。    3)自由選挙(⇔強制選挙)…棄権しても罰金、公民権停止、氏名の公表などの制裁を受けない制度。     *強制投票制は認められるか。B   →肯定説(長尾) r.なお白票を投ずる自由が保障されている。議会制度の下における選挙は、国家権力の民主          的正当化の作用を果たすという意義を持つ。   否定説(通説) r.投票はあくまでも個々の有権者の自由な意思に基づくべきであり、公明な選挙を実現する       にはそのほうが望ましい。    4)秘密選挙…誰に投票したかを秘密にする制度。(15条4項)    5)直接選挙(⇔間接選挙・複選制)…選挙人が公務員を直接に選挙する制度。    間接選挙…選挙人がまず選挙委員を選び、その選挙委員が公務員を選挙する制度。   {複選制…すでに選挙されて公職にある者が公務員を選挙する制度。     *43条の「選挙」に間接選挙・複選制を含むか。B   →通説)間接選挙は含むが、複選制は国民意思との関係が間接に過ぎるため含まない。 3.被選挙権の性格  *被選挙権は、憲法上保障されるか。B   →通判)15条1項を根拠に立候補の自由として保障される。 15.国民の義務   12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、   国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。   26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教       育は、これを無償とする。   27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。   30条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。